デイトレードのやり方と注意点とは？効率的な取引のコツを解説

株式市場やFXなどの金融市場には、いくつかの取引方法があります。超短期取引のスキャルピング、短期取引のデイトレード、中期取引のスイングトレードなどがありますが、今回はデイトレードについて解説していきます。

デイトレードは、1日のうちに取引を完結させる短期取引の手法であり、その特性から多くの投資家にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、最適なトレーディングスタイルは個々のライフスタイル、性格、そして投資目標によって異なります。

この記事では、デイトレードに焦点を当て、そのメリットとデメリットについて詳しく解説します。デイトレードの魅力や効果を理解することで、自身に合ったトレーディングスタイルを見つける一助となるでしょう。さあ、デイトレードの世界への一歩を踏み出してみましょう。

デイトレードの基礎知識

デイトレードとは、1日のうちに金融商品の買付と売却を行い、取引を翌日に持ち越さない取引手法です。一般的に、長期投資では株式を買付けた後、配当や長期的な値上がり益を期待して保有しますが、デイトレードはその対極に位置する手法です。デイトレーダーと呼ばれる投資家は、1日の間に何度も取引を行い、短期的な価格変動を利用して利益を狙います。

デイトレードを行う投資家のことをデイトレーダーといいます。

デイトレードのメリット

効率よく投資できる

デイトレードは、株価の値上がりや値下がりを見逃さずに、短期間で何度も売買を繰り返します。1回の取引で得られる利益は小さいですが、その利益を次の取引に回すことで、複利効果を期待できます。これにより、少ない元手でも効率的に投資を続けることができます。ただし、常に利益を出し続けるのは難しく、損失が出る日もあることを認識しておく必要があります。

1回の取引にかかるリスクが少ない

デイトレードは1日のうちに売買を完結させるため、その日の価格変動のみが影響します。長期保有の場合と比べて価格変動の幅が狭いため、大きな損失につながる可能性は低くなります。その反面、大きな値上がりを狙うことも難しいです。

相場動向の影響を受けにくい

デイトレードはポジションを翌日以降に持ち越さないため、日本のマーケットが閉まっている間に発表される経済指標や決算発表、海外市場の影響を受けにくいです。また、長期投資では重要となるマーケット全体のトレンドや企業の業績も、デイトレードではそれほど重要ではありません。デイトレードでは、買い付けるまたは売却するタイミングを見極めることが重要です。

知識が浅くても勝てるチャンスがある？

デイトレードは、長期投資とは異なる知識が必要です。長期投資で勝つためには経済の知識が必要ですが、デイトレードでは市場の動きを短期的に捉えるスキルが重要です。そのため、投資初心者でも勝てるチャンスはあるかもしれません。

ただし、最低限の知識は必要です。特に、株価チャートの動きを分析し、トレンドやパターンを読み取る「テクニカル分析」の知識は持っておくべきです。この知識を活用して、デイトレードに適した銘柄を選ぶことが重要です。また、円相場などの幅広い視野を持つことも役立ちます。

デイトレードは短期的な取引を繰り返すため、迅速な判断力とスキルが求められますが、適切な知識と準備を持って取り組むことで、効率よく利益を上げるチャンスがあります。

デイトレードのデメリット

デイトレードを成功させるためには、いくつかの重要な注意点があります。以下に、特に気をつけるべき点を説明します。

手数料がかかりがち

デイトレードは1日に何度も売買を繰り返すため、その都度手数料が発生します。これが積み重なるとコストがかさんでしまうため、以下の点に注意が必要です。

• 証券会社の選択: 手数料が安い証券会社を選ぶ。
• 手数料定額コース: 一定額の手数料で取引できるコースを選ぶと、手数料の節約につながります。

仮想通貨をデイトレードする場合も、取引所によって手数料が異なります。取引手数料だけでなく、出金・入金手数料や送金手数料も確認しましょう。

身体的・精神的な負担

デイトレードは、市場が開いている間ずっとモニターを見続ける必要があり、身体的・精神的に負担がかかります。

• 身体的負担: 長時間のモニター凝視で目や肩に負担がかかります。
• 精神的負担: 常に市場の動きを見ているため、緊張状態が続きます。

これを軽減するために、自分に合った取引時間を決めることが重要です。例えば、午前中の取引時間だけ集中すると決めることで、負担を軽減することができます。

大きな損失を被るリスク

デイトレードでは短期間で利益を出すために、信用取引やレバレッジ取引を利用することがあります。これは大きな利益を狙える反面、短期間で大きな損失を被るリスクも高まります。

• 信用取引: 手持ちの資金以上の取引が可能で、大きな利益を狙える反面、大きな損失を出すリスクもあります。
• レバレッジ取引: 少ない資金で大きな取引をする方法ですが、損失も大きくなる可能性があります。

初心者は、最初はレバレッジをかけずに取引を行い、経験を積むことが重要です。

判断の難しさ

デイトレードでは、売買のタイミングが重要で、短い時間での分析と判断が求められます。

• タイミング: 売買のタイミングを見極めるのが難しく、短時間での決断が求められます。
• チャート分析: 株価チャートを見てトレンドやパターンを読み取るスキルが必要です。

初心者は、まずデモトレードなどで経験を積み、取引の感覚をつかむことから始めると良いでしょう。

デイトレードに向いている人、向いていない人

デイトレードが向いているかどうかは、生活スタイルや性格に大きく関わります。以下に、デイトレードに向いている人と向いていない人の特徴をわかりやすく説明します。

デイトレードに向いている人

日中取引ができる人

デイトレードは平日の9:00～15:00の間に行われるため、この時間帯に取引できる人が向いています。

• フリーランスや専業トレーダー: 日中の取引時間に柔軟に対応できる。
• 主婦や学生: 日中に時間が取れる場合。

夜間取引ができる日経平均先物でデイトレードする方法もありますが、通常の株取引では平日の取引時間に対応できることが重要です。

決断力がある人

デイトレードでは瞬時の判断が求められるため、決断力がある人が有利です。

• 迅速な決断: 売買のタイミングを即座に判断できる。
• 冷静な対応: 短期間での値動きに冷静に対応できる。

集中力がある人

デイトレードでは、取引時間中ずっと市場の動向を見守る必要があるため、高い集中力が求められます。

• 長時間の集中: 長時間のモニター凝視に耐えられる。
• 注意力: 細かな値動きを見逃さない注意力が必要。

デイトレードに向いていない人

日中仕事をしている人

昼間に別の仕事をしている人は、デイトレードに時間を割くことが難しいです。

• オフィスワーカー: 仕事中に取引時間を確保するのは困難。
• シフト制の仕事: 時間が不規則な場合も難しい。

この場合、数日間から数週間で取引を行うスイングトレードや、中長期の取引を検討すると良いでしょう。

決断力が乏しい人

デイトレードでは迅速な決断が必要ですが、決断力が乏しい人には不向きです。

• 迷いやすい: 瞬時に決断できず、迷ってしまう。
• 慎重すぎる: 慎重すぎてタイミングを逃してしまう。

ストレスに弱い人

デイトレードは緊張状態が続くため、ストレスに弱い人には向いていません。

• ストレス耐性が低い: 緊張やプレッシャーに弱い。
• 精神的な負担: 短期の値動きに振り回され、精神的に負担が大きい。

デイトレードを始める3ステップ

デイトレードを始めるために必要な準備を3つのステップに分けてわかりやすく説明します。

ステップ1：環境作り

デイトレードはスマホでも可能ですが、売買のタイミングが重要なため、より効率的な環境を整えることが大切です。

• パソコンとスマホ: 最低限、パソコンとスマホがあれば始められます。スマホは外出先での取引や通知に便利ですが、パソコンは大画面で複数の情報を同時に確認するのに適しています。
• 複数のモニター: トレードに慣れてきたら、複数のモニターを使うことで各マーケットの動きをタイムリーに確認でき、株式だけでなくFXなど投資先を広げることも可能になります。
• 証券会社のツールやアプリ: 証券会社が提供する取引ツールやアプリを活用しましょう。ツールやアプリの機能や使いやすさは証券会社によって異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

ステップ2：証券口座の開設

デイトレードでは1日に何度も取引を行うため、手数料の安い証券会社を選ぶことが重要です。

• ネット証券の利用: 一般的にネット証券は取引手数料が安く、デイトレード向きです。
• 手数料の比較: 取引金額によって手数料は異なるため、各証券会社のウェブサイトで手数料を確認し、比較検討しましょう。

ステップ3：ルール化

デイトレードはポジションを持ち越さないため、売買のタイミングを明確にルール化することが成功の鍵です。

• 具体的な数値でルール設定: 例えば、「5％値下がりしたら損切り」など、具体的な数値を設定することで、感情に左右されずに取引を進めることができます。
• ルールを守る: 設定したルールを徹底して守ることで、ずるずるとポジションを持ち越してしまうリスクを減らせます。

デイトレードに向いている金融商品

デイトレードを行う際に向いている金融商品には、以下のものがあります。

国内株式

• 銘柄数が多い: 選択肢が豊富であり、様々な情報が得やすい特徴があります。
• キャピタルゲイン以外の利益: 権利行使日のみポジションを持ち越すことで、配当金や株主優待などの利益も期待できます。

FX（外国為替証拠金取引）

• 24時間マーケット: 日本のマーケットが閉まっている時間帯でも、海外市場は開いています。FXはほぼ24時間取引が可能なため、日中の取引が難しい投資家も始めやすいです。

まずはデイトレードに慣れるところから

投資全般に言えることですが、デイトレードも実際のトレードを経験することが重要です。少ない元手でも始められるデイトレードは投資初心者にとってもスタートしやすい方法です。まずは少額から始め、取引に慣れることが大切です。

初心者はまず少額から

• ミニ株で練習: 1万円未満の少ない資金から投資できるミニ株（単元未満株）で練習するのも一つの方法です。
• ハイリスク・ハイリターン: デイトレードはハイリスク・ハイリターンの取引であるため、リスクを理解し、自己責任で行いましょう。

デイトレードは慣れていない投資初心者にとってはハードルが高いかもしれませんが、少額から始めることでトレードの感覚やリスク管理を身につけることができます。

まとめ

デイトレとは

デイトレード（Day Trading）は、1日のうちに取引を完結させる短期取引の手法です。つまり、同じ日のうちに買い付けと売却を行い、ポジションを翌日に持ち越さない取引スタイルです。デイトレーダーは、市場の短期的な値動きを利用して利益を狙います。

スキャルピング・デイトレ・スイングトレードの違い

• スキャルピング: 短期的な値動きを利用して、非常に短い時間で利益を上げる取引スタイル。数秒から数分の間に取引を行うことが特徴です。
• デイトレード: 1日のうちに取引を完結させる取引スタイル。数時間から数時間かけて取引を行います。
• スイングトレード: 中長期的な値動きを利用して利益を狙う取引スタイル。数日から数週間かけて取引を行います。

デイトレのメリット

• 効率的な投資: 短期間で何度も売買を繰り返すことで、少ない元手でも効率的に投資を行うことができます。
• 取引リスクの低さ: 1日で取引を完結させるため、リスク管理が比較的容易です。
• 相場動向の影響を受けにくい: ポジションを翌日以降に持ち越さないため、日本のマーケットが閉まっている間の影響を受けにくいです。

デイトレのデメリット

• 手数料の負担: 1日に何度も取引を行うため、手数料がかさんでしまう可能性があります。
• 身体的・精神的な負担: 長時間のモニター視線や瞬時の判断が求められるため、身体的・精神的な負担が大きいです。
• 大きな損失のリスク: 短期間で大きな利益を狙える反面、大きな損失も被るリスクが高まります。

デイトレに向いている人

• 日中取引ができる人: 平日の取引時間に取引を行うことができる人。
• 決断力がある人: 短期間での値動きに即座に対応できる人。
• 集中力がある人: 長時間のモニター視線に耐えられる人。

ミニ株（単元未満株）などで練習しよう

ミニ株（単元未満株）は、1株から株式投資を始めることができる制度です。少額から始められるため、リスクを最小限に抑えながらデイトレードの練習をすることができます。ミニ株で練習することで、実際の取引の感覚やリスク管理を身につけることができます。

最後に

デイトレードは、1日のうちに取引を完結させる短期取引の手法であり、効率的な投資が可能な一方で、手数料や身体的・精神的な負担などのデメリットも存在します。デイトレードには日中取引ができる人や決断力がある人に向いていますが、ストレスに弱い人や日中仕事をしている人には適していません。初心者がデイトレードを始める際には、ミニ株（単元未満株）などで取引の感覚を練習することが重要です。デイトレードを行う際には、自身のライフスタイルや性格に合った取引スタイルを見つけることが成功への鍵となります。

平田　とかげ

マネ活を義務教育に！

はじめまして！私はこれまでに、投資しながら少しずつ資産を形成してきました。投資を始めた頃は全くの初心者でしたが、少額から始めて徐々に目指していきました。では、私が経験したリアルな投資のステップをシンプルに伝え、これから投資を始める方のお役に立つ情報を共有しています。ますので、ぜひ一緒に行っていきましょう！