普通預金と定期預金は何が違うの?分かりやすく解説します
現代の経済状況下では、多くの人々が自身や家族の将来のために資産を増やす方法について考えています。その中でも、定期預金は安定感やリスクの少なさから、資産運用の中でも人気の高い選択肢の一つです。
しかし、低金利が続く現在では、定期預金の利回りに満足できないと感じる人も少なくありません。そこで、多くの人々が定期預金以外の資産運用方法を模索しています。
本稿では、定期預金とは何か、その特徴やメリット・デメリットなど資産運用に関する基本的な情報を提供します。
定期預金とは
定期預金は、銀行や信用金庫などの金融機関にお金を預ける方法の一つです。具体的には、一定期間(例えば1年や3年など)にわたって一定金額を預け、その期間中は預けたお金を引き出せないようにする取引です。
預入期間の指定
定期預金では、預け入れたお金を一定の期間、つまり預入期間中は引き出せません。この期間は、数ヵ月から数年まで様々な選択肢があります。預入期間が長いほど一般的に金利が高くなる傾向があります。
元本保証
定期預金は元本保証がされているため、預けたお金の安全性が高いと言えます。満期まで預けた場合、預けた元本が保証されているため、リスクを抑えて資産を保護したい方に適しています。
満期後の選択
定期預金の満期到来時には、預入金額と利息が支払われます。その際に、自動継続や元利自動継続などの選択肢があります。満期後の取扱いは、預金者が事前に指定することができます。
総じて、定期預金は安定した利息収入を得たい方や将来の資金計画を立てる方に適しています。しかし、一方で預入期間中はお金を引き出せないため、急な出費に備える必要がある場合は他の選択肢も検討する必要があります。
普通預金と定期預金の違いとは
普通預金と定期預金は、預けられる方法や特徴が異なる金融商品です。以下に、両者の違いを分かりやすく解説します。
預け入れ期間の違い
普通預金:
随時お金を預けたり引き出したりできる預金の形式です。いつでもお金を出し入れできるため、柔軟性があります。
定期預金:
一定期間(例えば1年や3年など)にわたって一定金額を預ける取引です。預けたお金を期間中は引き出せず、満期まで預けた状態が続きます。
金利の違い
普通預金:
金利が比較的低く設定されており、預けたお金に対して日々の残高に応じて一定の金利が付与されます。金利は金融機関によって異なりますが、一般的に定期預金よりも低い傾向があります。
定期預金:
預けたお金に対して一定の金利が期間中固定されます。そのため、金利が比較的高めに設定されることがあります。預入期間が長いほど金利が高くなる傾向があります。
出し入れの自由度
普通預金:
いつでもお金を出し入れできるため、急な出費や支払いに備えるための口座として利用されます。
定期預金:
預け入れ期間中はお金を引き出すことができません。満期まで預けたお金がロックされた状態になります。ただし、緊急時には一定の手数料を支払って中途解約することもできます。
つまり、普通預金は急な出費や支払いに備えるための口座として、定期預金は将来の資金計画や安定した収益を求める方に適しています。
定期預金のデメリットについて
定期預金には以下のような注意点があります。
投資性商品に比べてお金が増えにくい
定期預金は一定期間お金を預けることで金利を得る形式ですが、その金利は他の投資性商品に比べて低い場合があります。特に超低金利の時代では、その差は顕著です。そのため、資金を増やす目的での選択としては、他の投資商品に比べて成長が遅いと言えます。
中途解約しないとお金を引き出せない
定期預金は原則として預入期間中はお金を引き出すことができません。満期前にお金が必要になった場合、中途解約手続きを取る必要があります。しかし、中途解約すると預けた金額に対する利息が低くなる場合があります。このため、途中でお金を引き出す可能性がある場合は、その点を考慮して期間を選ぶ必要があります。
預け入れた金額が一定期間凍結される
定期預金は一定期間預けることが前提です。そのため、預け入れたお金は一定期間凍結されることになります。急な出費や緊急の資金需要が生じた場合に、すぐに利用できないという制約があります。
定期預金の種類
定期預金には、以下のような種類があります。それぞれの特徴や適用する方について解説します。
一般定期預金
一般的な定期預金で、一定期間(例えば1ヵ月から10年など)にわたって一括で預け入れる取引です。
まとまったお金を「いつ」「何のために使う」かが決まっている方に適しています。
大口定期預金
最低預入金額が決められている定期預金で、数百万円以上や1,000万円以上などの金額を預け入れる取引です。
保有資産に余裕があり、今すぐ使う予定のないお金を保有している方に有効です。高金利が設定されている場合もあります。
積立定期預金
毎月決めた金額が普通預金から引き落とされ、専用の口座に自動的に積み立てられる定期預金です。積立金額は金融機関によって異なりますが、500円程度から始められることもあります。
少額から継続的に貯蓄をしたい方に適しています。継続的な貯蓄が苦手な方でも、自動的に積み立てることができるため、続けやすい特徴があります。
これらの種類の定期預金は、それぞれのニーズやライフスタイルに合わせて選択することが大切です。自分の目的や資金計画に最も適した定期預金を選ぶことで、効果的な資産管理ができます。
定期預金の金利の種類について
固定金利定期預金と変動金利定期預金の特徴を比較してみましょう。
固定金利定期預金の特徴
- 預入金額の違い: 預入金額が300万円未満の場合は「スーパー定期」、300万円以上の場合は「スーパー定期300」と呼ばれる。
- 金利の固定性: 預け入れた時の金利が満期日まで適用される。つまり、金利が変動することはなく、確定した金利が期間中維持される。
- 預け入れ可能額: 預け入れは1円以上、1円単位から可能。
- 元本保証: 元本が保証されるため、満期時に元本が保護される。
- 預金保険の対象: 預金保険の対象となり、一定額までの預金が保護される。
- マル優の対象: 障がい者等のマル優の対象となる。
- 総合口座にセット可能: 総合口座にセットして利用することができる。
変動金利定期預金の特徴
- 預入金額の違い: 預入金額が300万円以上の場合は「変動金利定期預金300」、1000万円以上の場合は「変動金利定期1000」と呼ばれる。
- 金利の変動性: 一定期間ごとに金利が変更される。通常は6か月ごとなどの一定期間で金利が変動する。
- 預け入れ可能額: 預け入れは1円以上、1円単位から可能。
- 元本保証: 元本が保証されるため、満期時に元本が保護される。
- 預金保険の対象: 預金保険の対象となり、一定額までの預金が保護される。
- マル優の対象: 障がい者等のマル優の対象となる。
- 総合口座にセット可能: 総合口座にセットして利用することができる。
このように、固定金利定期預金と変動金利定期預金は、金利の設定方法や適用金額の違いがあります。それぞれの特徴を理解し、自身の資金の運用目標に合わせて選択することが重要です。
定期預金にネット銀行という選択肢もある
ネット銀行は、インターネットを通じて口座開設や取引が行える銀行のことです。定期預金を利用する際にも、ネット銀行を選択肢として考えることができます。
以下に、ネット銀行の特徴とメリットを解説します。
手続きが簡単
ネット銀行はオンライン上で口座開設や取引が可能です。煩雑な手続きや窓口への来店が不要なため、忙しい方や遠方に住む方でも簡単に利用できます。
24時間いつでも利用可能
ネット銀行のサービスは24時間いつでも利用できます。休日や深夜でも取引が可能なため、自分の都合に合わせて利用することができます。
手数料が安い
ネット銀行はインフラコストを抑えることができるため、手数料が低めに設定されている場合があります。定期預金の手数料や管理費が他の銀行よりも安くなることがあります。
高金利が期待できる場合がある
ネット銀行は店舗を持たないため、運営コストが低い傾向があります。そのため、高金利の定期預金商品を提供していることがあります。インターネット上で競争が激しいため、金利競争が活発化している場合もあります。
セキュリティが強化されている
ネット銀行はセキュリティ対策が徹底されています。SSL暗号化通信や二段階認証などのセキュリティ機能が備わっており、安全性が高い環境で取引が行われます。
ネット銀行は、利便性や手数料の安さ、高金利などのメリットがありますが、取引にはインターネット環境が必要です。また、対面サービスがないため、窓口での相談や手続きが必要な場合には不向きです。そのため、利用する際には自身のニーズやライフスタイルに合わせて検討することが重要です。
定期預金をはじめるには
定期預金を始めるまでの流れを以下のステップに分けて説明します。
【ステップ1】お金を預ける金融機関を決める
まずは、お金を預ける金融機関を選びます。金利や預入期間、途中解約に関する条件など、各金融機関ごとの特徴や利用しやすさを比較検討しましょう。
また、キャンペーンや特典を提供している金融機関もあるので、利用の際にはその点もチェックしましょう。普段利用している銀行が定期預金を提供している場合、口座の統合が便利なことも考慮に入れましょう。
【ステップ2】お金を預ける金額と期間を決める
次に、預ける金額と期間を決めます。用途や目的に合わせて必要な金額や期間を考慮し、満期までの期間や途中解約の可能性についても考えましょう。定期預金は一定期間お金を預けることが前提なので、途中解約を避けるためにも、慎重に決めることが重要です。
【ステップ3】口座を作る
金融機関を決定したら、口座を開設します。多くの金融機関ではオンライン上で口座開設手続きが可能です。必要な個人情報や本人確認書類を用意して、指示に従って手続きを進めます。スマートフォンやパソコンを利用して自宅から手続きを行うことができるため、忙しい方でも簡単に口座開設ができます。
以上のステップを踏むことで、定期預金を始める準備が整います。しっかりとした計画を立てて、自分に合った定期預金を選ぶことが大切です。
定期預金以外の運用方法も検討しよう
資産形成において、守る預金(安全な資産)と攻める投資(成長性の高い資産)の両方が重要です。ここでは、それぞれの重要性と特徴について解説します。
守る預金(普通預金、定期預金など)
定期預金や普通預金などの銀行預金、国債などの安定した利回りが期待できる資産が含まれる。
- 安全性と安定性を提供し、予期せぬ出費や緊急時の備えに役立つ。
- リスクを最小限に抑えることで、資産を守りながら将来の不確実性に備える。
- リターンは比較的低いが、元本保証や預金保険などの安全性が高い。
攻める投資(投資信託など)
- 株式、不動産、投資信託などのリスクが高いがリターンも高い資産が含まれる。
- 資産を成長させ、リターンを最大化するために必要。
- 長期的な視点で資産の価値を増やし、将来の目標やライフスタイルを支える。
- 市場の変動やリスクに晒されるが、適切なポートフォリオ管理やリスク管理でリターンを最大化することができる。
両者のバランスをとる
両者のバランスを取ることが重要であり、適切なリスク管理が求められる。
短期的な目標や緊急時の備えには守る預金を重視し、長期的な資産形成やリタイアメントプランには攻める投資を取り入れるのが一般的。
守る預金と攻める投資を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを保ちながら、資産を安定的に成長させることが可能となる。
投資ならNISAが便利
- 税制優遇: 新NISAでは、口座内での利益が非課税となります。つまり、投資によって得られた利益は税金がかからず、そのまま積み立てや再投資が可能です。これにより、長期間の資産形成がスムーズに進むだけでなく、将来の税負担を軽減することができます。
- 多様な投資対象: 新NISA口座では、株式や投資信託、上場投資信託(ETF)など、多様な投資商品が選択可能です。これにより、投資家は自身のリスク許容度や投資目的に応じて、適切なポートフォリオを構築することができます。
- 長期間の運用: 新NISAは無期限の運用が可能です。このため、将来の資産形成や老後の生活資金確保など、長期の目標に向けて資産を積み立てることができます。
- 運用方針の柔軟性: 新NISA口座では、投資方針の変更や資産の組み換えが可能です。つまり、市場環境の変化や投資家の目標に合わせて、適切な投資戦略を実行することができます。
まとめ
定期預金とは
定期預金は、一定期間(例: 1ヶ月、6ヶ月、1年など)お金を預け、その期間中は引き出すことができず、指定された金利で利息を得る銀行の商品です。
定期預金と普通預金の違い
定期預金
- 一定期間にわたって預けられる。
- 期間内は引き出しができない。
- 固定された金利が適用される。
普通預金
- 随時引き出しが可能。
- 金利は日々の残高に応じて変動する。
- 普通預金口座にはデビットカードや小切手帳が付属していることが一般的。
定期預金のメリットとデメリット
メリット:
- 安定した利息収入: 一定期間固定された金利が適用され、安定した利息収入を得られる。
- 元本保証: 元本が保証されており、リスクが低い。
- 節約に効果的: お金を長期間触らずに貯蓄することができ、無駄遣いを防ぐ効果がある。
デメリット:
- 資産の流動性の低下: 期間中に預金を引き出すことができないため、緊急時の資金が必要な場合に不便。
- 低い金利: 普通預金に比べて金利が低く、資産の成長が緩やか。
ネット銀行のメリット
- 手数料の削減: ネット銀行は店舗を持たないため、経費が削減され、高金利や低手数料を実現できる。
- 便利な取引: インターネット経由で口座開設や取引ができ、24時間いつでも利用可能。
- 競争力のある金利: 低コストで運営されるため、他の金融機関よりも高金利を提供する場合がある。
定期預金以外の資産運用について
定期預金以外の資産運用としては、以下のような方法があります
- 投資信託: 専門家が資産を運用し、株式や債券などの資産に分散投資する。
- 株式投資: 個々の企業の株式を購入し、その成長や配当を目指す。
- 不動産投資: 不動産物件を購入し、賃貸収入や資産価値の増加を狙う。
- 外国為替取引: 外国通貨を取引し、為替相場の変動による利益を目指す。
NISAについて
新NISAは、非課税保有期間の無期限化や口座開設期間の恒久化などの改正が行われ、つみたて投資枠と成長投資枠を併用して最大年間360万円の投資が可能になりました。将来の資産形成やライフプランに合わせて、効果的な資産運用が期待できます。NISAについては、こちら!
最後に
定期預金は安定した利息収入や元本保護などのメリットがありますが、金利が低いため資産の成長が緩やかです。そのため、投資信託や株式投資などの他の資産運用方法を検討することも重要です。
ネット銀行を利用することで、手数料の削減や高金利を得ることができるため、資産をより効果的に運用することが可能です。ただし、投資にはリスクが伴うため、自身のリスク許容度や投資目的を考慮し、適切な資産運用方法を選択することが重要です。