配当利回り4%以上!初心者が知っておきたい高配当株の探し方と注意点
- 「配当を重視する投資は初心者に向いている?」
- 「高配当株がいいって聞いたけど、どうやって探すの?」
- 「高い利回りがいいと言われるけど、何%くらいが基準なの?」
投資初心者の方にとって、最初は誰でも迷うものです。配当を重視する投資は、「安定した収益が得られる」「リスクが比較的低い」と言われ、特に初心者におすすめされる方法ですが、選び方や基準を知ることが成功のカギとなります。
この記事では、配当を重視する投資のメリットや高配当株を選ぶポイントを、初心者でも分かりやすく解説します。株式投資がぐっと身近に感じられるようになるはずです。ぜひ一緒に基本を学んでいきましょう!
株の利回りについて
株の利回りとは、株式に投資した金額に対してどれくらいのリターン(収益)が得られるかを示す割合です。利回りにはいくつか種類がありますが、初心者にとって一番分かりやすいのが「配当利回り」です。
配当とは
配当とは、企業が得た利益の一部を株主に分配するものです。株を保有していることで得られる「株主の権利」の一つであり、企業が利益を上げた際に「お礼」として還元されるイメージです。
配当の仕組み
企業の利益:企業が商品やサービスを売ったり事業で稼いだりして利益を得ます。
利益の分配方法
企業は得た利益を次のように配分します。
- 内部留保(会社の成長のために再投資する資金)
- 税金の支払い
- 配当金(株主への還元)
配当金の支払い
企業が配当金を支払うかどうか、いくら支払うかは、経営陣が決めて株主総会で承認されます。
配当の種類
- 普通配当:通常の事業運営で得た利益から支払われる配当。
- 特別配当:特別な利益が出た場合や記念日(創立記念など)に支払われる配当。
増配・減配
- 増配:前年よりも配当金が増えること。
- 減配:前年よりも配当金が減ること。
- 無配:業績が悪化した場合などに配当が出ないこと。
配当の支払い頻度
日本企業の場合、多くは年1回または年2回(中間配当と期末配当)支払われます。
一部の企業では四半期ごと(年4回)に配当を行う場合もあります。
配当を受け取る条件
配当を受け取るには、権利確定日までに株を購入し、その日まで保有している必要があります。
権利確定日とは、企業が「この日までに株を持っている人に配当を支払います」と決めた日。
配当のメリット
安定した収益になる
株を持っているだけで、配当金という形で定期的に収益が得られます。
長期の投資向き
配当を出し続ける企業は財務が安定している場合が多く、安心して長期投資が可能です。
配当のデメリット
業績による変動がある
企業の業績が悪化すると、減配や無配になる可能性があります。
配当金は税金がかかる
配当金を受け取ると所得税や住民税がかかります。
配当を出す企業と出さない企業
- 配当を出す企業:安定成長を目指し、株主に還元する方針の企業。成熟企業に多い。
- 配当を出さない企業:成長段階にあり、利益をすべて事業拡大に投資する企業。新興企業やベンチャー企業に多い。
配当利回りとは?
配当利回りは、1年間に受け取る配当金の額が、株価に対してどのくらいの割合かを表します。株式投資の収益の一つである「配当金」に注目した指標です。
配当利回りの計算式
配当利回り(%) = (1株あたりの年間配当金 ÷ 株価) × 100
具体例を挙げて説明
たとえば、ある企業の株価が1,000円で、1株あたりの年間配当金が50円の場合、配当利回りは次のように計算されます。
- まず、年間配当金(50円)を株価(1,000円)で割ります。 50÷1,000=0.05
- この数値(0.05)に100を掛けて、パーセンテージに変換します。 0.05×100=5.0(%)
この場合、配当利回りは 5.0% となります。
ポイント
- 「1株あたりの年間配当金」 は通常、企業の配当方針として公開されており、四半期や中間配当を合わせた年間の総額を指します。
- 「株価」 は、計算時点での市場価格を使用します。そのため、株価が変動すると配当利回りも変わる点に注意が必要です。
配当利回りの基本的な特徴
収益性の目安になる
配当利回りが高いほど、少ない投資額で多くの配当金を受け取れる可能性があります。例えば、配当利回りが4%の株式に100万円を投資した場合、年間で4万円の配当金が期待できます。このため、高配当株は「効率よく収益を得たい」と考える投資家に人気があります。
株式選びの参考になる
配当利回りが高い銘柄は、安定した配当金が得られる可能性が高いため、特に長期投資に向いています。こうした「高配当株」をポートフォリオに組み込むことで、株価の変動リスクを抑えつつ、安定した収益を目指すことができます。
他の投資との比較に役立つ
配当利回りは、株式投資だけでなく、銀行預金や債券といった他の投資商品の収益性を比較する際の目安としても使えます。例えば、定期預金の金利が0.1%程度であるのに対し、配当利回りが3~4%の株式は、収益性が高いといえます。
「配当利回りが高いほど良い」とは限らない理由
配当利回りが高い株式は一見魅力的ですが、注意が必要です。その背景には次のようなリスクが潜んでいることがあります。
株価の下落が原因のケース
株価が急落すると、計算上、配当利回りが高くなります。しかし、株価下落の原因が企業の業績悪化である場合、投資するのは非常にリスクが高いです。配当利回りだけで判断するのではなく、企業の財務状況や業績の安定性をしっかりと調査することが大切です。
配当金が減るリスク
業績が悪化した企業が配当金を減らす(減配)場合、結果として配当利回りが低下します。また、減配は株価下落の要因となることも多いため、配当利回りが高いからといって安易に投資するのは避けるべきです。過去の配当実績や今後の業績見通しを確認しましょう。
配当利回り以外の利回りもチェック!
株の利回りには、配当利回り以外にも「株式益利回り」という指標があります。
株式益利回り
これは、企業の1株あたりの利益(EPS)を株価で割ったもので、株価の割安度を示します。配当だけでなく、企業が生み出す利益全体に注目したい場合には、この指標が役立ちます。
配当利回りを投資に活かすポイント
配当利回りは、投資効率を測るうえで非常に分かりやすい指標であり、特に初心者にも扱いやすい特徴があります。ただし、以下の点に注意することが大切です。
- 配当利回りが高い場合は、その背景に業績悪化や株価下落などのリスクがないか確認する。
- 配当利回りだけでなく、企業の業績、財務状況、配当の安定性も総合的に判断する。
- 他の指標(株式益利回りや配当性向など)も活用して、より幅広い視点から投資先を選ぶ。
安定した配当を得ることは、長期投資の魅力の一つです。利回りの基本をしっかり理解して、あなたの投資計画に役立ててください!
配当利回りの重要性
配当利回りが投資家に注目される理由や活用方法を以下のポイントで解説します。
株主重視の経営方針を示す指標
- 配当利回りが高い企業は、株主への利益還元を重視する経営方針であることが多いです。
- 投資家からの評価が高く、安定した株主基盤を持つ企業として注目される傾向があります。
- 長期保有を目的とする投資家に特に人気です。
投資金額に対する配当金の多さ
- 高配当株(配当利回りが高い銘柄)は、投資額に対してより多くの配当金を受け取れるため、安定収益を求める投資家に好まれます。
- 低金利の環境では、銀行預金や債券よりも高いリターンを得られることから、高配当株の需要が増加します。
増配や記念配当の影響
- 企業が増配(配当金を増やす)や記念配当(特別な配当)を発表すると、株価が急騰することがあります。
- 逆に、減配や配当廃止が発表されると、株価が大きく下落することがあるため、配当政策が株価に与える影響は大きいです。
業界内での比較が可能
- 配当利回りは、同じ業界内の競合他社と比較する際に有効な指標です。
- 競合よりも高い配当利回りを提供する企業は、業界内での競争優位性や株主還元の意識が高いと評価されます。
配当利回りの目安
一般的な目安: 配当利回りは 4%以上が高配当とされています。
ただし、高配当銘柄には注意が必要です。以下のようなケースがあるためです。
- 株価の急落: 株価が急落すると配当利回りが一時的に高く見える場合があります。このような場合、企業の業績や財務状況に問題がある可能性があります。
- 配当性向の過剰: 配当性向(利益に対する配当金の割合)が高すぎる企業は、配当の持続可能性が低い場合があります。
配当利回りの注意点
- 配当利回りだけでの判断は危険: 配当利回りが高い銘柄が必ずしも安全とは限りません。企業の財務健全性や業績を合わせて確認する必要があります。
- 成長性とのバランス: 配当利回りが高くても、企業の成長余地が限られている場合があります。一方、配当利回りが低い成長株も、将来的な利益拡大で株価上昇が期待できることがあります。
- 長期的な視点の必要性: 配当利回りは短期的な利益ではなく、長期的な安定収益を重視する指標です。
配当利回りの実践的活用法
- 安定配当企業の選定: 配当利回りが高く、なおかつ安定して配当を出し続けている企業を選ぶことで、長期的な安定収入を得られます。
- インカムゲインとキャピタルゲインのバランス: 配当収益(インカムゲイン)と株価上昇による売却益(キャピタルゲイン)の両方を考慮して投資判断を行うと、リスクを抑えつつ高いリターンが期待できます。
- 配当利回りの変化に注目: 配当利回りが急に高くなった銘柄は、株価の急落や業績悪化の兆候が隠れている場合があるため、慎重に分析します。
配当利回りは株式投資の収益性を評価するうえで欠かせない指標ですが、単独で判断せず、企業の業績や将来性、財務状況なども総合的に分析することが重要です。
高配当株を選ぶときのポイント
配当が安定していること(特に増配株が◎)
- 配当が安定している企業は、株主への還元意識が高いといえます。
- 特に、毎年配当を増やしている「増配株」がおすすめです!
業績が安定していること(配当性向は50%以下が目安)
- 業績に大きな変動がある企業は、配当が減らされるリスクがあります。
- ここで注目すべき指標が「配当性向」です。
配当性向とは?
配当性向とは、企業が稼いだ利益(純利益)のうち、どれくらいの割合を株主に配当金として還元しているかを示す指標です。
企業が配当金を出す方針を評価する際や、将来の配当の安定性を判断する材料として重要です。
配当性向の計算式
配当性向の計算式を文章で説明すると、以下のようになります。
配当性向は、企業が稼いだ純利益のうち、どれだけの割合を株主に配当金として支払っているかを示します。この割合は次のように計算します:
- まず、1株あたりの年間配当金を求めます。
これは、企業がその年に1株当たりで支払った配当金の総額です。 - 次に、1株あたりの純利益を確認します。
これは、企業が1株当たりで稼いだ利益(EPS)を指します。 - 1株あたりの年間配当金を1株あたりの純利益で割ります。
この計算で、「配当金が純利益の何割に当たるか」がわかります。 - 最後に、結果を100倍してパーセント表示にします。
例:
もし、1株あたりの配当金が50円、1株あたりの純利益が200円の場合、配当性向は次のように計算します:
「50円を200円で割る」と0.25になり、これを100倍して25%。
つまり、この場合の配当性向は25%です。
日本企業の平均配当性向は約30%。50%以下であれば、業績悪化時の減配リスクが低いと考えられます。
キャッシュフローが豊富で安定していること
企業が配当を継続するには、十分な現金が必要です。
企業の「キャッシュフロー」から、現金や現金同等物(すぐに換金可能な資産)が潤沢かどうかを確認しましょう。
キャッシュフローとは?
高配当株のキャッシュフローは、企業が生み出すお金の流れを指します。投資額や配当金など、現金の「出入り」を把握することが重要です。
高配当株に投資する際の注意点
利回りが高すぎる株には注意!
配当利回りが極端に高い場合、企業の業績悪化や株価の急落が原因であることがあります。
減配リスクを把握する!
業績が悪化すると、企業が配当金を減らす(減配)可能性があるため、安定した配当を重視しましょう。
高配当株の探し方
高配当株は、投資家に安定的な収益(配当金)をもたらすため、初心者にも魅力的です。この記事では、高配当株を効率的に探すための「4つの条件」とその活用方法について、初心者にもわかりやすく解説します。
高配当株を選ぶための4つの条件
①総合判断が4.0%以上
配当利回りが高いほど、投資に対して多くの配当金を得られる可能性があります。一般的に、4.0%以上を目安にすると「高配当株」として魅力的な銘柄が見つけやすくなります。ただし、選択肢を広げるために、条件を少し緩めて3.8%以上にする一つの方法です。
②売上高や利益が安定して成長しているか
過去10年間の売上高や営業利益が平均して右肩上がりであるということを確認します。多少の変動があっても、直近3年間で大きな落ち込みがなければ問題ありません。また、売り上げが横ばいでも営業利益が増加していれば、効率的な経営が行われている証拠として評価できます。
③配当が増配傾向にあるか
配当金が毎年増えている、または安定している企業を選ぶことも重要です。過去に減配を繰り返している企業は、景気の悪化などで再び減配するリスクが高いため、慎重に見極める必要があります。
④PER(株価収益率)が18倍以下
PER(株価収益率)は、株価がその企業の利益に対して割高か割安か判断する指標です。18倍以下を基準にすると、割高感のない銘柄を選ぶことができます。成長が期待できない企業でPERが高すぎる場合、将来の増配余地が限られる可能性があります。
「スクリーニング」とは、複数の条件を設定して、それに該当する銘柄を探す方法です。 証券会社が提供しているスクリーニング機能を使えば、配当利回りやPERなどの条件を入力して、効率的に自分の投資スタンスに合った銘柄を見つけることができます。
注意点
シクリカル銘柄への集中投資を避ける
景気に左右されやすい業界(不動産、資源関連、証券など)の銘柄は、業績が大きく変動する可能性があります。これらの銘柄に投資する場合は、株価が安いタイミング(底値)を当てて、分散投資を心掛けましょう。
株価の高騰に注意
現在、株価が大幅に上昇している銘柄は、配当利回りが魅力的に見ても、過去の業績や業績の将来性を慎重に確認する必要があります。
配当利回りだけで判断しない
配当利回りが高いからといって、必ずしも良い投資先とは限りません。株価が急落した結果、収益が一時的に高く見えるケースもあるため、業績や財務状況のチェックを欠かさないようにしましょう。
まとめ
配当利回り4%以上の高配当株は、安定した収益を求める初心者にとって魅力的な選択肢です。しかし、高配当だからといって安易に飛びつくのではなく、業績や配当の安定性、PERなどの指標をしっかりと確認することが重要です。
また、シクリカル銘柄への集中投資は避け、分散投資を心がけることでリスクを抑えられます。高配当株は、投資初心者が資産形成を始めるための心強い選択肢ですが、慎重な分析を忘れずに取り組みましょう!
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