資産を守るとは?日常生活に潜むリスクについて解説

日常生活には、我々が意識していない間に資産を減らす様々なリスクが潜んでいます。悪質商法や振り込め詐欺などの詐欺行為は、その一例に過ぎません。しかし、資産を減らすリスクは詐欺だけに限りません。災害や盗難、浪費癖、そしてインフレなど、我々がコントロールできない要因も資産を脅かします。
そこで、この記事では日常生活に潜む資産を減らすリスクから身を守るための方法を紹介します。我々が実践できる行動や対策を通じて、資産を守り、将来の安定を築くための手助けとなるでしょう。
日常生活で気をつけるべき事例

日常生活で我々が直面する様々な事例の中で、資産を守るために注意が必要なものを紹介します。これらの事例を知ることで、お金を狙う悪質な手法から身を守ることができます。
リボ払い
リボ払いのデメリットはいくつかありますが、その中でも最も大きなものは手数料率の高さです。一般的に高めに設定されているため、支払いきれなくなるケースが少なくありません。以下に、リボ払いのデメリットを詳しく解説します。
- 手数料率の高さ: リボ払いはクレジットカードの支払い方法の一つであり、毎月の支払い額に金利手数料が含まれます。この手数料率が非常に高いため、利用者が支払う金額が膨らんでしまいます。例えば、リボ払いの手数料率が平均15%前後とされているため、大きな負担となります。
- 感覚の麻痺: リボ払いでは毎月の支払い金額が一定です。そのため、利用者は支払い額が安定していることから、「お金を消費している」という感覚を持ちにくくなります。この感覚の麻痺により、利用者は自身の支出状況を正しく把握できず、ご利用残高が膨らんでしまうリスクが高まります。
- 支払いきれなくなるリスク: 手数料率の高さや感覚の麻痺により、リボ払いの利用者は支払いきれなくなるリスクをはらんでいます。特に急な支出が重なった場合や収入が減少した場合には、支払いが困難になり、借金のリスクを招く可能性があります。定期的に支払い状況を確認し、手数料の負担を最小限に抑えることが重要です。
インフレ(インフレーション)
インフレのデメリットは、お金の価値が下がることです。具体的には、物価が上昇することで同じ金額では以前よりも少ない商品やサービスしか購入できなくなります。例えば、100万円の車を買うために貯金しているとして、その途中でインフレが起きると、100万円たまった頃には車が200万円に値上がりしてしまい、目標の車を買えなくなる可能性があります。
特に悪いインフレが起きると、物価が上昇する一方で賃金が上昇せずに経済的な負担が増え、生活が苦しくなります。結果として、貯金や投資などの資産の価値も減少し、資産形成が難しくなります。
さらに、円安にもデメリットがあります。円安とは、国内通貨である円の価値が下がることを意味します。これにより、輸入業者は輸入品の価格が上昇し、消費者にその負担がかかります。また、日本から海外へ旅行する際にも、円の価値が下がることで海外での支出が増え、旅行費用が高くなる可能性があります。将来の資産価値を守るためには、インフレ率を考慮して適切な投資や貯蓄を行う必要があります。
お金の貸し借り
友人や家族にお金を貸すことは、一見すると親切な行為に思えるかもしれませんが、実際には様々なリスクが伴います。以下に、そのリスクや問題点を6つ挙げてみました。
- 最終手段である可能性: 友人や家族があなたにお金を頼んでくるのは、一般的には銀行から融資を受けることができない場合が多いためです。つまり、あなたが最終手段として選ばれたということです。
- 返済の見込みが薄い: 調査によると、友人や家族からお金を借りた人の多くが全額を返済していないという結果が出ています。そのため、お金を貸す場合には返済を期待せず、プレゼントとして考えた方が良いでしょう。
- 誤った権限を与える: 親しい間柄でのお金の貸し借りは、しばしば親からの子供への借金に関連しています。しかも、そのお金の必要性は正当なものとは限りません。これにより、子供は金銭的な責任を放棄し、過保護な親がその悪習を許してしまう可能性があります。
- 自分に必要なお金かもしれない: 突然の緊急事態や失業など、自分自身がお金を必要とする状況が発生するかもしれません。このような場合、貸したお金が自分自身の生活費に充てられてしまうかもしれません。
- 返済を促すことで関係が悪化する可能性: 貸したお金が返済されない場合、その返済を求めることは非常に難しい状況になります。このような状況は、関係を悪化させる原因となります。
- 関係の崩壊の可能性: 返済が滞り続けると、あなたと友人や家族の関係が永遠に崩壊する可能性があります。あなたは借金取りのように見られ、その事実は関係に大きな影響を与えるでしょう。金銭トラブルを避けるためには、お金の貸し借りは慎重に考えるべきです。
宝くじ
宝くじに当選する可能性について夢見るのは楽しいことですが、実際には資産形成には向いていません。宝くじを買うのであれば、以下の4つのポイントを注意しましょう。
- 貯蓄を優先しよう: 宝くじを買う前に、まずは貯蓄や生活費の支払いが順調に進んでいることを確認しましょう。もし生活防衛資金が不足している場合は、宝くじ購入よりもまずは貯蓄を優先しましょう。宝くじ代は娯楽費やお楽しみセット代として予算内で使いましょう。
- 負ける確率を理解しよう: 宝くじで当選する確率は非常に低いことを理解しましょう。当たる数字や勝てる公式は存在しないので、宝くじに投じるお金はあくまでエンターテイメントの一環と考えるべきです。
- 習慣にしないようにしよう: 宝くじ購入を習慣化しないようにしましょう。長期間にわたって継続的に宝くじを買うことは、貯蓄や資産形成の妨げになります。予算内で宝くじを購入するように心がけましょう。
- 老後の資金に手を付けないようにしよう: 宝くじ購入のために老後の資金を手放すことは避けましょう。当選金が大きく魅力的でも、資産づくりの目標達成に影響する可能性があります。老後のための資金計画は崩さないようにしましょう。
葬儀費用
葬儀の費用に関するトラブルは、感情的な状況下での決定や、予期せぬ費用の追加などが原因となります。以下はその一例です。
- 焦って決めた葬儀会社の費用が割高だった: 不慣れな状況下で急いで葬儀会社を選んでしまうと、費用の見積もりや内容をよく確認せずに契約してしまうことがあります。その結果、割高な費用設定になってしまうことがあります。
- オプションの追加による高額化: 葬儀会社から提案されるオプションや追加サービスについて、冷静な判断が難しい場合があります。そのため、本来必要のないオプションを追加してしまい、結果的に費用が高額化してしまうことがあります。
- 故人の希望を反映できない葬儀になった: 故人が希望していた葬儀の形式や内容が、家族の意向や費用面の制約などで実現できない場合があります。これによって、家族や関係者が納得できない葬儀になることがあります。
身内に不幸があると、感情的になりがちで冷静な判断が難しいですし、ゆっくりと考える時間も限られています。そのため、事前に葬儀の形式や内容、費用について家族や関係者と話し合い、可能な限りの準備をしておくことが大切です。また、信頼できる葬儀会社を選ぶことも重要です。
銀行や保険で気を付けるべき事例

銀行や保険に関して気をつけるべき事例は多岐にわたりますが、以下のポイントに留意することが重要です。
外貨預金
外貨預金がお金を増やす手段として魅力的に感じるかもしれませんが、実際には注意が必要です。以下に、外貨預金をおすすめしない理由を分かりやすく解説します。
- 手数料が高い: 外貨預金には高額な手数料がかかることがあります。これによって、利益が大きく減少する可能性があります。
- 利息に税金がかかる: 外貨預金の利息には税金がかかることがあります。利息を得るたびに税金を支払う必要があるため、実際に手に入る利益は少なくなります。
- 為替リスクがある: 外貨預金は外国通貨で預けるため、為替相場の変動リスクがあります。為替相場の変動によって、預けたお金の価値が変動する可能性があります。
- 銀行の破綻リスクがある: 外貨預金をする際には、預金先の銀行が破綻するリスクも考慮する必要があります。万が一銀行が破綻した場合、預けたお金が失われる可能性があります。
- 高金利の期間が短い: 銀行の外貨預金で高金利が提供される期間は限られています。高金利が提供される期間が短いため、利益を十分に得ることが難しい場合があります。
貯蓄型保険(積立保険や外貨建て保険など)
貯蓄型保険(積立保険や外貨建て保険など)には確かにデメリットがあります。以下ではそれぞれのデメリットについて詳しく説明します。
掛け捨て型の保険と比べて保険料が高め
貯蓄型保険は、保険料が掛け捨て型の保険よりも高い傾向があります。これは、貯蓄型保険が保障だけでなく貯蓄機能も持っているためです。保険料の高さは、家計に負担をかける可能性があります。したがって、無理のない範囲でプランを選ぶことが重要です。
途中で解約すると払い込んだ保険料を下回る場合がある
貯蓄型保険を途中で解約すると、解約返戻金が支払われますが、払い込んだ保険料を下回る場合があります。特に契約後短期間で解約すると、解約返戻金が少ないか、または全く返ってこないことがあります。このような状況を避けるために、解約を考える際は注意が必要です。
利率固定型の商品はインフレに対応しにくい
利率固定型の貯蓄型保険は、将来の金額が固定されています。しかし、インフレが起きると、受け取る金額の価値が相対的に下がる可能性があります。つまり、インフレが上昇すると、受け取る金額がその価値を失い、実質的な利益が減少する可能性があります。このため、インフレに対応できる柔軟性を持つ商品を選ぶことが賢明です。
海外(オフショア)積立保険
海外積立投資には、契約後にトラブルが起こりやすい代表的な事例があります。ここではその事例を詳しく説明します。
著しく資金の流動性が低い
海外積立投資は長期的な資産運用を前提としています。15年、20年、25年といった長期間にわたって資金の積立を継続することで、ドルコスト平均法によるリスク分散や複利効果を最大限に活かすことができます。しかし、途中で解約したり積立を停止したりすると、運用効果が著しく低下します。そのため、最初に決めた金額を満期まで継続して払い続ける強い意志と余裕がなければ、海外積立投資は不利な商品となります。
資金引き出しの手続きに相当な時間と労力がかかる
海外積立投資を始める際、契約手続きをする以上に資金を受け取るまでの手続きに時間と労力がかかることがあります。海外の手続きは日本とは異なり、遅延やトラブルが生じる可能性があります。さらに、資金を受け取る際には銀行の承認が必要であり、拒否されることもあります。このような事態に備えて、事前に不安を抱えずに済むように準備しておくことが重要です。
為替リスク
海外積立投資では、日本円ではなく外貨で運用を行うため、為替リスクが発生します。円高の時に投資し、円安で資金を戻すことが利益を最大化する方法ですが、将来の為替を予測することは容易ではありません。為替によっては損失が生じる可能性もあります。投資のタイミングや資金を引き出すタイミングについても適切なアドバイスを受けることが重要です。
途中解約は損する可能性大
海外積立投資では、契約途中で解約すると早期解約手数料が発生します。これにより、積立てた資金が大きく減少する可能性があります。長期的な資産運用が目的なので、積立てを継続できるかどうかをじっくり考える必要があります。
詐欺の可能性
オフショア投資に関しては詐欺まがいの行為が横行していることがあります。信頼できる情報源や専門家の意見を参考にしましょう。
資産運用において気をつけるべき事例

資産運用において気をつけるべき事例はいくつかあります。それぞれの投資商品や手法にはリスクが伴うため、注意深く選択する必要があります。以下に、主な事例をまとめます。
投資詐欺(ポンジ・スキーム)
ポンジ・スキームは、投資家からの資金を新たな投資家から集め、それを前の投資家に配当として支払うという仕組みです。しかし、実際には新しい投資家から集めた資金で古い投資家に配当を支払っているだけで、適切な運用が行われていないことがあります。
対策としては、利回りが極端に高い投資商品には警戒し、信頼できる情報源や専門家の意見を参考にすることが重要です。
毎月分配型の投資信託
毎月分配型の投資信託は、手数料が高く、分配金の資源が疑わしいことがあります。また、繰上償還されるリスクが高い場合もあります。
手数料が高い商品や、分配金の資源が不透明な商品には注意が必要です。手数料の低い商品や、運用方針が透明な商品を選ぶことが大切です。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、お金を貸し出して利息を得る投資の形態ですが、業者の不正や投資先のリスクがあります。
業者の信頼性や、投資先のリスクをしっかりと確認することが重要です。また、初心者にはリスクが高いため、慎重に判断する必要があります。
仮想通貨(暗号資産)
仮想通貨は急激な価格変動があり、将来の相場を予測することが難しいため、リスクが高い投資とされています。
急激な価格変動に影響されず、堅実な投資を希望する場合は、他の資産や投資手法を検討することが重要です。
不動産投資において気をつけるべき事例

不動産投資は、その規模や性質からくるリスクが他の投資とは異なります。以下は不動産投資における気をつけるべき事例です。
新築ワンルームマンション投資
新築ワンルームマンション投資は、表面上の利回りが魅力的に見えますが、実際には多くの経費がかかり、実質利回りが低くなることがあります。特に、銀行の金利や管理費用、固定資産税、火災保険などの経費を考慮する必要があります。
また、新築であっても築年数が経過すると家賃が下がり、物件価格も下落する可能性があるため、慎重な検討が必要です。
サブリース契約
サブリース契約は、一般的な賃貸契約とは異なり、オーナーが不利な条件で契約するケースがあります。契約更新の際に条件が見直されたり、建築会社との契約が必要だったりすることがあります。
不動産管理やリース契約に関する知識が不十分な場合、悪徳業者による不利な条件を見逃す可能性があるため、注意が必要です。
相続税対策のアパート経営
アパート経営は相続税対策として考えられることがありますが、実際には経営が成り立たないケースが多いです。立地や建築費用、経営管理など多くの要素を考慮しなければなりません。
不動産経営に必要なスキルや知識が不足している場合、赤字のリスクが高まります。
海外の不動産投資
海外の不動産投資には多くの魅力がありますが、詐欺やトラブルのリスクも高いです。現地の言語や法律に不慣れな場合、トラブルの解決が難しくなることがあります。
海外不動産投資には、十分なリサーチと準備が必要です。現地の情報や地域の特性を理解し、リスクを最小限に抑えることが重要です。
最後に

資産を守ることは、個人や家族の財務状況を安定させ、将来にわたって経済的な安全を確保することを指します。日常生活には様々なリスクが潜んでおり、これらのリスクに備えることが資産を守る上で重要です。
まず、日常生活におけるリスクの一つは予期せぬ出来事による突発的な支出です。例えば、健康問題や家庭内のトラブル、車の故障などが挙げられます。これらの出来事に備えるために、十分な緊急費用を準備しておくことが重要です。緊急費用は普段の生活費の数か月分相当の金額を確保することが推奨されます。
次に、経済的なリスクも考慮する必要があります。失業や収入の急激な減少、インフレーションなどの要因により、資産価値が減少する可能性があります。これらのリスクに対処するためには、適切な保険に加入したり、リスクヘッジの投資戦略を採用したりすることが重要です。
さらに、財産や貴重品の保護も資産を守る上で欠かせません。住宅や車両の保険に加えて、防犯対策やセキュリティシステムの導入、重要書類や貴重品の保管方法の確立などが有効です。
最後に、資産を守るためには適切な資産運用が必要です。資産を適切に分散し、リスクとリターンのバランスを考慮したポートフォリオを構築することが重要です。定期的なリバランスや適切なリスク管理を行うことで、資産の安定性と成長を促進することができます。
資産を守るとは、予期せぬリスクに備えること、経済的な安定を確保すること、財産や貴重品を保護すること、適切な資産運用を行うことなどを指します。これらの対策を適切に講じることで、個人や家族の財務状況を安定させ、将来に備えることができます。